勉強が苦手な子の成績を伸ばす方法
「何度言っても勉強しない」「何をしても成績が上がらない」——お子さまの学習面で悩む保護者の方の声は、全国どこでも聞かれるものです。勉強が苦手な子どもの成績を伸ばすためには、ただ「努力不足」や「向いてない」と決めつけるのではなく、その背景にある原因を見つめ、具体的なサポートや学習法を取り入れていくことが大切です。この記事では、成績が伸び悩む子どもへの理解を深めながら、明日から取り入れられる学習改善のヒントをご紹介します。
勉強ができない原因とは
「うちの子は頭が悪いから」と諦めてしまう方もいますが、実際には“できない”のではなく、“できるようになるステップ”が適切に踏めていないだけというケースがほとんどです。
勉強が苦手になる主な原因には、次のようなものがあります:
- 理解の土台が抜けたまま進んでいる:例えば小学校での「分数の意味」など、基礎の理解が曖昧なまま中学内容に進むと、当然つまずきます。
- 成功体験が少ない:「やってもできなかった」という経験が蓄積すると、「やる意味がない」と感じてしまいがちです。
- 集中力や記憶力のクセ:人によって得意な覚え方・考え方には違いがあり、それが合っていないと学習効率が上がりません。
- 自己否定感や比較意識:「どうせ自分は無理」「あの子はできるのに…」という気持ちが、学ぶ意欲を阻んでしまうのです。
このように、単に「勉強嫌い」だからではなく、心や脳の仕組み、経験の差に起因しているケースが多くあります。
よくある勉強の悩み
子どもたちが抱える悩みには、実にさまざまなものがあります。ここでは保護者の方にも知っておいていただきたい、代表的な“学習のつまずき”を紹介します。
- 「どこから手をつけていいかわからない」:やるべきことが整理できず、結果的に何も始められない。
- 「やったつもりになっている」:ノートを写すだけで満足してしまい、本質的な理解に至っていない。
- 「一度つまずくと、やる気がなくなる」:問題が解けない=自分は無理、という認知になってしまう。
これらの背景には、「自己理解不足」や「学習法の未確立」があります。そして、それを改善するには、「成功体験」「見通しのある学習」「小さな達成感の積み重ね」が重要なのです。
成績を伸ばす学習法3選
では、勉強が苦手な子どもでも取り組みやすい、実践的な学習法にはどんなものがあるのでしょうか。ここでは特に効果が高く、おすすめの方法を3つご紹介します。
1. 「わかったつもり」を防ぐ“説明学習”
学んだ内容を「自分の言葉で説明する」ことは、理解を深める最も強力な方法です。教科書やノートを見ながら「何をどう学んだか」を言葉にすることで、知識が整理され、自信にもつながります。
2. 「時間」ではなく「回数」で管理する
1日3時間勉強するより、「英単語を3回覚え直す」「1問ずつ間違いを解き直す」など、具体的な行動回数で目標を立てるほうが、やることが明確になって成果が出やすく、継続しやすくなります。
3. 「できたことノート」を作る
1日の終わりに「今日できたこと」を書き出すだけでも、自己肯定感が育まれ、翌日の意欲が高まります。たとえ小さなことでも、「自分は成長している」と実感することが、継続への鍵です。
山田塾での指導
山田塾では、高校生には説明学習を活用したシステムで勉強してもらっています。一般的には「分からないことを教えてもらう」というのが塾の役割ですが、聞いて出来るようになるなら苦労しませんよね。むしろ「分かったことをしっかりと覚えておく」ということに重きを置くことで、学習効果を格段に高くしています。
中学生に対しても、詰まった問題の解き方をこちらからすべて教えることは生徒の成長を止めることに繋がると考え、じっくりと自分なりの考えを出してくれるまで待ちます。単純に「この問題分からない」と言って解き方を教えてもらうよりも、「こう考えたけど解けません」という質問の仕方の方がはるかに学習効果も高いので、いつもグッと堪えながら様子を見守っています。
こうした姿勢は、生徒自身が「学ぶのは自分のため」という感覚を取り戻すことにつながります。その結果、時間はかかっても、着実に学力は伸びていくのです。
明日からできる小さな一歩
最後に、保護者の方が明日からできる“成績アップにつながるサポート”をいくつかご紹介します。
- 「できたこと」を見つけて褒めてあげる
- 「どこでつまずいてる?」と聞いてあげる
- 勉強する時間より、「勉強できた気持ち」を共有する
- 「やりたくない日もあるよね」と共感する
- 一緒に学習計画を立ててあげる(押しつけない形で)
大切なのは、「結果」に一喜一憂するのではなく、「プロセス」に目を向けてあげること。お子さまが「自分はできる」と思えるきっかけを、一緒につくっていきましょう。
まとめ
勉強ができない子どもの成績を伸ばすためには、「なぜできないのか」を丁寧に理解し、「どんなふうにすればできるのか」を一緒に探していく姿勢が何よりも大切です。
無理に追い立てるのではなく、小さな成功体験を少しずつ重ねること。焦らず、比べず、「今のわが子」に寄り添うこと。それが、学ぶ力の土台を育て、未来を切り開く力へとつながっていきます。
どんな子も、「わかるってうれしい」「できるって楽しい」と思える瞬間を必ず持っています。その芽を信じて、一緒に歩んでいきましょう。
